弁護士 水野智之
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モラルハラスメントで離婚が認められるか

モラルハラスメントで離婚が認められるか

2015/03/04

新宿区四谷の弁護士水野智之です。

さて,昨日,高橋ジョージさんと三船美佳さんの離婚訴訟の第1回口頭弁論期日が開かれたようです。

離婚問題にかかわる弁護士の立場から,今回の離婚理由とされているモラルハラスメントで離婚ができるかどうか書いてみたいと思います。

 

まず,離婚についてお互いに合意ができない場合には,裁判上の離婚理由が必要です。
具体的には民法770条第1項に規定されています。
一 配偶者に不貞な行為があったとき。
二 配偶者から悪意で遺棄されたとき。
三 配偶者の生死が三年以上明らかでないとき。
四 配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき。
五 その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき。

このうち,モラルハラスメントは,第5号の婚姻を継続し難い重大な事由といえるかどうかの問題となります。

 

ところで,モラルハラスメントと一口に言っても,いろいろなことが考えられます。
無視をする,食事を一緒にとらない,わざと大きな音をたててドアを閉めるなど,露骨なものもあれば,ちょっとした嫌味など,一つ一つを取ればとるに足りないようなことが積み重なってくるということもあります。
今回のケースでは,どのようなモラルハラスメントがあったのかはっきりとはわかりませんが,モラルハラスメントだけで離婚が認められるのは,正直言うと難しいです。

なぜならば,モラルハラスメントは目に見えない心的な苦痛といった要素が大きく,人によって感じ方も異なるものなので,そういった目に見えない曖昧な要素を重視して離婚を認めることは,公平を失するおそれもあるからです。

離婚理由は,離婚を求める側が証明していかなければならないものなので,より具体的な証拠をもとに,モラルハラスメントが夫婦の婚姻生活にどのような影響を及ぼしていたのか立証していかなくてはなりません。
もっとも,三船さん側は,モラルハラスメント以外の理由も加味して,離婚理由を主張していくでしょうし,離婚を認めるか否かはそういった主張を総合的に判断してなされるものです。その意味で三船さん側の弁護士の腕の見せ所ですね。
そして,離婚訴訟まで起こした夫婦が,元に戻る可能性というのは非常に難しいのではないでしょうか。

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