離婚と住宅ローン(財産分与の問題)
2015/03/16
新宿区四谷の弁護士水野智之です。
離婚するときに住宅ローンが残る不動産がある場合,離婚後も悩ましい問題が生じることがあります。
不動産の名義も住宅ローンの名義も一方当事者である場合は,不動産の時価から住宅ローンの残元金を控除した残額を不動産の現在価値として,財産分与の額を決めれば済みます。
しかし,不動産の名義が共有であったり,住宅ローンについて夫婦が連帯債務者となっているとか,一方が他方の連帯保証人となっている場合には,上記のようにシンプルに解決するのは困難です。さらに,複雑なケースになると,不動産の名義人に夫婦以外の第三者(よくあるのは,夫の両親)がいるとか土地と建物で名義人が異なるといったケースもありえます。
一番,簡単な解決は不動産の任意売却なのですが,多くの場合,夫婦のどちらかが居住したいという希望を出すことが多いため,話がなかなかまとまりません。
また,住宅ローンは金融機関との折衝も必要になってきます。不動産を取得したい当事者の側は,今後の住宅ローンの支払い能力があるかどうかを吟味し,金融機関からの借り換えをしたりして不動産を取得することも考えられます。
これに対して,資力がない場合には不動産の取得は困難かもしれませんが,居住権を確保するため期間を定めた使用貸借権を設定するといった方法も考えられます。
オーバーローンの場合には不動産の価値はゼロであるとして財産分与の対象からは除外されます。したがって,残債がある場合であっても,相手方に負担させることはできません。
しかし,一方当事者が連帯債務者や連帯保証人となっている場合には,この問題を解決しておかないと,後々債権者から請求されるリスクを負いかねません。実際,住宅ローンの問題を片付けないまま離婚したため,後から債権回収会社などから請求されたというケースのご依頼を受けたことも何度かあります。
私もいろいろなケースを経験してきましたが,離婚の際の,住宅ローンの問題は非常に複雑で難しい問題です。
ローンや登記の仕組みなどの知識もないと適切に処理できない問題なので、離婚時の住宅ローンでお悩みの方は、弁護士に一度ご相談されることをお勧めします。
財産分与の問題は以下のブログもご参照ください。
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