初診の遅れや治療の中断
2015/05/08
新宿区四谷の弁護士水野智之です。
GWも明けて業務を再開しましたので,ブログも再開いたします。
さて,交通事故に遭われたものの,お仕事の都合などで交通事故後ただちに受診できないケースや,治療を途中で中断してしばらくしてから再開するといったケースがあります。
この場合,初診の遅れや治療を中断していた理由について。きちんと説明がつくかどうか,他の既存の傷害があったかどうかなどをもとに,交通事故と怪我との因果関係があるかどうかが判断されることになります。
まず,初診についてはなるべく早く(できれば交通事故当日に)行った方がいいです。
確かに,交通事故直後はたいしたことがないとか,週末で病院も空いてないからと思って,病院に行かなかったが,だんだん痛くなってきたので病院に通ったというケースもありえるでしょう。
しかし,初診が遅くなればなるほど,保険会社は治療費の立て替え払いをしてくれない可能性が高いです。そうすると,保険証を使ったとしても,治療費のいくらかは自己負担せざるを得なくなります。
目安としては,初診は交通事故の日から1週間~10日前後までには行っておくべきです。たいしたことがないと思っても,医者に通っておけば何か問題が生じたとき対処できますので,できる限り通院治療は早めに行いましょう。
また,通院後になんらかの事情で治療が中断することもあります。
しかし,中断の期間が長くなればなるほど交通事故との因果関係は認められにくくなります。また,治療の中断は後遺障害の認定においても不利となりますのでできれば避けた方がいいです。
怪我の症状にもよりますが,1か月程度の中断が限界と考えた方がいいでしょう。過去の裁判例では3か月半もの中断期間でも認められた例はありますが,特殊なケースといっていいでしょう(中断前も含め治療費が全く払われていなかったケース)。
通院はまめに行かれた方が,あとあとの損害賠償にも有利に働きます。
↓以前にも書きましたが,治療期間の長さが,入通院慰謝料の金額の多寡にも影響してくるのが実務の運用です。
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