財産分与の2分の1ルール
2015/05/22
新宿区四谷の弁護士水野智之です。
財産分与については以前からいくつかブログを書いていますが,今日は財産分与の割合について書きたいと思います。
財産分与についての過去の記事はこちら↓
財産分与については夫婦双方がどの程度財産形成に寄与したかによって,分与の割合が決められることになります。
かつては,専業主婦ならば3割とか4分の1とかのこともありましたが,現在は,家庭裁判所では2分の1の割合で決着することがほとんどです。これは2分の1ルールと言われています。
原則2分の1を徹底するという考えは,公平にもかなうものであり,たいていのケースでは妥当な判断だといえます。
実際,裁判所では,財産分与の一覧表というものを作成することを当事者にお願いすることがありますが,その表の書式自体が2分の1の割合で分与することが前提となっています。
もっとも,2分の1ルールが適用されなかったケースもないわけではありません。
例えば,特殊な才能(芸術家,発明家,金融取引のディーラー,医師,弁護士など)で多額の財産が形成された場合には,2分の1ルールを適用しないケースがあります。
また,財産分与を求める側には資産形成に対する寄与がほとんどなく(例えば,浪費がとても多いなど),ほかにも夫婦共有財産を隠し持っている可能性が否定できないような場合にも,2分の1ルールが適用されなかったケースがあります。
特に,一番最後のほかにも財産を隠しているのではないかという点については,裁判所は厳しい判断をすることがありますから,気を付けた方がいいです。
もっとも,こういった2分の1ルールが適用されないケースでは,2分の1ルールを適用しなくても,かなり高額の財産分与が予定されているという背景もありますので,2分の1ルールの適用については安易に考えない方がいいです。
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